(1) |
雇用契約書の締結
技能実習生は入国前に雇用契約を締結し、その内容を理解・納得したうえで来日します。入国後の待遇が「雇用契約書」に記載されている内容と異なる場合は、労働基準監督署や外国人技能実習機構等の関係各所に係る問題へと発展することとなります。 |
(2) |
出退勤管理
出勤簿を作成し、技能実習生の出勤・退勤・早出・残業・休日出勤等の時間を確実に管理してください。
|
(3) |
賃金台帳の作成・整備
上記(2)の出勤簿を基に賃金台帳を作成してください。特に早出・残業・休日出勤時にはそれぞれ割増賃金が支給されますので、それぞれの時間数を正確に把握し、賃金台帳に記載してください。賃金台帳を作成していない、または保管していない場合は不正行為となります。
また、給与から控除する項目については(1)の雇用契約書に記載されている内容に従ってください。保険料等法定控除以外の項目を給与から控除する場合は、別途「賃金控除に関する協定書」の締結が必要であり、控除する額は実費を超えてはなりません。 |
(4) |
賃金の適切な支払い
上記(3)の賃金台帳の記載内容に基づき、技能実習生に賃金をお支払いください。支給の際には、最低賃金を下回らないこと、割増賃金を適正に支払うことを守り、不当または不明確な控除は行わないでください。
支払い方法は口座振込みか手渡しとなります。口座振込みの場合は事前に「賃金の口座振込みに関する協定書」および「賃金の口座振込み同意書」を取り交わしていただきます。直接手渡して支給する場合は、必ず受領証を取り交わし、保管してください。
賃金の全部または一部の未払いは不正行為であるだけでなく、さらなるトラブルや被害へ発展する恐れもございますので、賃金の適正支払いについては慎重にお取り扱いください。 |
|
2 技能実習生受入れ体制の整備
|
|
(1) |
賃金に係る協定書・同意書
上記1(3)(4)にある「賃金控除に関する協定書」「賃金の口座振込みに関する協定書」「賃金の口座振込み同意書」については必要に応じて取り交わしてください。 |
(2) |
外国人雇用状況届出書
個人事業主の場合、技能実習生を雇入れた時や同技能実習生が帰国した時には、「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況届出書」を作成し、ハローワークに提出してください。 |
(3) |
労働者名簿
技能実習生の名前を記載した「労働者名簿」を作成し、企業に常備してください。 |
(4) |
寄宿舎規則
技能実習生の宿舎が企業宿舎である場合は、「寄宿舎規則」を作成し、労働基準監督署に提出するとともに、企業にて保管してください。 |
(5) |
36協定
技能実習生が早出・残業・休日出勤等時間外活動を行う場合は、必ず「時間外労働・休日労働に関する協定届(いわゆる36協定)」を作成し、労働基準監督署に提出のうえ、同署の受理印をもらうとともに、企業に常備してください。 |
(6) |
健康診断
毎年の定期健康診断は技能実習生も同様に受診しなければなりません。また、雇入れ時の健康診断も必ず受診する必要がございます。 |
|
3 社会保険・労働保険への加入 |
|
|
|
(1) |
厚生年金・国民年金
法人企業に所属する技能実習生は厚生年金の強制加入者となります。個人企業に属する20歳以上の技能実習生は国民年金に加入しなければなりません。
ただし、前年所得により保険料の全額免除・一部免除が申請できる場合があります。また、6ヶ月以上厚生年金や国民年金を納付していた技能実習生が帰国する場合は、帰国後2年以内に請求することで脱退一時金が支給されます。 |
(2) |
雇用保険
労働者を1名でも雇用していれば、その企業は雇用保険の強制適用事業所となります。ただし、個人経営で常時5名未満の労働者を使用する農林水産畜産業はこの限りではありません。 |
(3) |
労働者災害補償保険
労働者を1名でも使用している全ての事業所は労働者災害補償保険(労災保険)の強制適用事業所となります。
常時5名未満の労働者を使用する個人経営の農業は暫定任意適用事業所となっておりますが、技能実習生受入れにあたっては労災保険への加入が求められております。 |
|
4 日頃からご留意いただきたい事項 |
|
(1) |
技能実習日誌の作成
技能実習は技能実習計画に従って実施しなければなりません。そしてその実施状況を「技能実習日誌」に記録し、技能実習計画の達成度合いの確認や指導内容の修正等を行ないます。
また、実習時間等については1(2)の出勤簿と相違がないように正確にご記入ください。
技能実習日誌を作成していない、または保管していない場合は不正行為となります。 |
(2) |
技能実習指導員の配置
各受入れ企業は、技能実習生が修得する技術等について5年以上の経験を持ち、技能実習生の活動現場に常駐している正規雇用者の中から技能実習指導員を配置しなければなりません。
技能実習生の時間外労働や休日労働についても、技能実習制度の趣旨に鑑み、時間外活動等も技能等修得活動の一環として行われる必要があるとともに、技能実習生に対する指導が可能な体制を構築する必要があります。 |
(3) |
技能実習生の活動内容
技能実習生は、技能実習計画に基づいた活動を行なわなければなりません。これまでは原則として認められていなかった周辺作業や関連作業についても、一定の割合で行なうことを技能実習計画に記載することで、実施が認められるようになりました。しかしながら、明らかに必須作業とは関連のない作業や、接客および事務作業等を実施させることはできません。 |
(4) |
不適正な方法による技能実習生監理の禁止
技能実習生に対し宿舎からの外出を禁止すること、技能実習生のパスポートや外国人登録証明書、預貯金通帳を預かることは、人権侵害や法令違反に問われるため、強く禁止されており、これに反した場合は不正行為となります。
また、入国当初の講習期間中は実習実施者と技能実習生の間に雇用契約が存在していないため、実習実施者が技能実習生に対して当該講習の受講について将来の使用者として指揮・命令することはできません。 |
(5) |
技能実習生に対する生活指導
生活指導員を配置し、技能実習生の生活指導を行なってください。 |
(6) |
技能実習責任者の任命
技能実習責任者を任命し、3年ごとに講習を受けることが必要です。
|